山梨のワイン造り ブドウ栽培の今!#11

醸造課の清水です。
皆様こんにちは。
早いものでもう12月。
肌を刺すような寒さを感じる季節になりました。
毎日、四季の移り変わりを肌で感じながらも、あっっ!という間に過ぎ去っていく2018年。
冬の訪れは、モンデ酒造のすぐ裏にある畑でも・・・。
コチラは、落葉したマスカット・ベーリーAの葉。
一面白っぽく、いかにも寒そうに霜がおりています。
この光景を見るだけで、ゾクゾクっと体が縮こまってくるようです・・・。
そんな、師走のさなか、モンデ酒造の自社畑では新年度に向けた『剪定』が始まりました!!
12月18日朝8時すぎ・・・。
初日の剪定は日当たりの良い場所からスタート。
そこには、上空を見上げる剪定メンバーの姿が・・・。
実はこれ、マスカット・ベーリーAのブドウ棚をじっくり観察しているんです。
ブドウの木の樹齢や、隣の木との間隔、枝の伸び具合、来年出てくる枝の伸びていく場所はあるか、枝同士が重なりすぎてはいないか、無駄に成長しすぎている枝はないか・・・。
などなど、様々なことを熟考し、どの枝を切るべきか、相談しています。
この時期の剪定の良し悪しで来年以降のブドウの出来も左右してしまいます。
とっても、重要な作業なんです。
重要なのは、根っこから吸い上げてくる養分をどのようにすれば、均等に果実に行き渡らせることができるのか。
簡単に説明すると、このようなイメージになります。
まず、養分を吸上げる木の幹を、水中ポンプ。
そして、四方八方に伸びた枝の、それぞれブドウが実をつける場所に、水道の蛇口があると仮定します。
要するに、水中ポンプで地面から吸い上げた水を、張り巡らされたすべての枝の蛇口から、同じ量の水が出るように調整するという事なんです。
このようにすべて均等になるよう、枝の数や、枝の長さなどを緻密に調整し、どこか1本の枝にだけ養分が偏らないように、計算して木を切っていくのです。
というわけで、来年以降の木の成長を想像していかなければ、剪定は進みません。
初めての剪定は、改めてブドウ栽培の奥深さを感じることとなりました。
それでは実際に、どれくらいの枝を整理するものなのでしょうか。
こちらは、剪定する前の枝。
迷路のように雑然と並んでいます。
実は、これを、ほぼ8割、9割ほど切ってしまいます。
最初びっくりしましたが、これくらい切らないと来年には成長しすぎて、手が負えない程になってしまうというんです。
コツコツと、そして時に大胆に剪定を進めるため、ノコギリや大型ハサミ、剪定ばさみを駆使してどんどん枝を切り進めます。
剪定の前後を写真で比較してみると・・・
なんということでしょう。
一目瞭然にスッキリとした枝。
青い空がきっちりと見渡すことができるようになりました。
そして、1本1本じっくりと観察し、切り進めた結果(約3日)がコチラ!
今年は、例年以上に大胆に剪定し、樹形を整えているということもありますが、上屋敷畑(マスカット・ベーリーAを栽培)の半分も終わっていない状況で、これほどの量の枝を切り進めています。
モンデ酒造では、より良いブドウを収穫するため、こだわりを持って、一生懸命剪定を行っています。
是非2019年も楽しみにして頂ければと思います。
そして最後にもう1つ、冬の醸造課のお仕事を紹介します。
ブドウの収穫、ワインの仕込みも終わり、繁忙期にも一段落したこの時期。
醸造課では、様々な勉強会、講演会等へ参加し、栽培技術やワイン醸造について学んでいます。
また、この時期は、モンデ酒造に来られるお客様に安全で、快適に工場見学をしていただけるよう、様々な、案内表示や注意喚起を促すディスプレイなども、手作りで作っています!
その一部がこちらです。
自動開閉するシャッターに貼り付けた、「見学通路↑」「扉は自動で開きます」の文字。
醸造課4人がかりで、「もっと右!」「ちょっと右肩下がりになっているよ!」とか言い合いながら、丁寧に張り付けました。
2つ目はこちら。
工場内を走行するフォークリフトへの注意を促すディスプレイです。
フォークリフトのおもちゃや小型の人形で、お子様にもわかりやすく、安全に見学していただけるよう、工夫をしています。
このように、冬の時期には、ブドウやワインだけでなく、様々な場所に目を向け、更なる改善を目指し業務にあたっている醸造課。
来年もより良いブドウの栽培・ワイン造りをめざし頑張ります!
2018年も残りわずかとなりました。
今年、モンデ酒造にお越し頂いた方、ワインを買ってくださった方、イベントなどで実際にお会いし、お話させて頂いた方、モンデ酒造に行ったことあるという方、モンデのワイン飲んだ事あるという方、知らず知らずに、電車内やコンビニでモンデの商品を手に取ってくださった方、そしてブログを読んで下さった方、1年間ありがとうございました。
これから、1つでも多く「へぇー、そうなんだ!」と思っていただけるような情報を提供できるようなブログを目指していきたいと思います。
また来年も何卒、宜しくお願い申し上げます。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。
醸造課 清水